nanoegg

社員インタビューINTERVIEW

さまざまな専門性やバックグラウンドを
持ったナノエッグの研究員をご紹介します。

nanoegg Labo Report vol.2

はじまりは、エジソンだった

研究開発本部 医薬品研究開発部 長澤

“大学発ベンチャー”
として

医薬品研究開発部 シニアフェローの長澤です。2003年に、聖マリアンナ医科大学難病治療研究センターにあった当時の研究チームに加わりました。そこから数えると、在籍15年目になります。

当初は期間限定での参加予定だったんですが、その頃チームの研究テーマが選ばれ、科学技術振興機構(JST)から助成を受けることになりました。創業をめざす研究を応援する、国のプロジェクトがあるんです。

そのタイミングで、山口(代表取締役社長 兼 研究開発本部長)から「引き続き、一緒に研究をやっていきませんか?」と声をかけてもらい、二つ返事で引き受けました。その数年後の2006年に、ナノエッグは “ 大学発ベンチャー ” として創業しました。

生命科学が
関心テーマ

私は、大学4年時から大学院を卒業するまで「分子生物学」の研究室にいました。
もともと子どもの頃から科学全般が好きだったんですけど、だんだんと「化学」の領域が面白いと思うようになって、応用化学科のある大学へ進学しました。
そこでは一般的な化学のほか、生物学や生命科学の授業を受けたんですが、体のなかの細胞や分子レベルで何が起きているかを学ぶうちに、生命や人体の仕組みへ関心がどんどん湧いてきたんです。
ですから、最初は科学そのものへの興味から始まったのが、いろんなことを学ぶうちに、「生命科学」へ自分の研究領域が定まっていった感じです。

ナノエッグでの研究

私が所属しているのは、医薬品研究開発部です。あくまでも私の考えなんですが、学術機関の研究者の視点と、企業の研究員の視点は違うと思っています。研究者は未知の領域をとことん解明するのが一番大事なポイントですが、企業で働く研究員はそれだけではダメで。研究で解明したことが、開発にどう役立つかまで考えていくのが必要なんですね。

例えば、『ナノキューブ』という当社が独自開発した成分。以前、この成分の効果などを研究していたときに、肌だけでなく髪にも作用するというデータが出たんです。それで、「発毛や育毛に役立つ製品ができないか」という意見が挙がって、ほかの有効成分と組み合わせたりしてさらに研究を続けまして。その結果から後に開発されたのが、薬用育毛剤の『ふわり』です。このように、効果確認の段階で私が関わり、化粧品開発に役立ててもらうケースもあります。
少人数なので大変な部分もありますが、同時に柔軟性やいろんなアイデアを持って活動できるのがナノエッグらしさではないかな、と感じています。

現在は、ある治りにくい皮膚疾患を主な研究対象にしています。何が原因でどんな症状が出ているか、どういうメカニズムでその疾患が起きているかを解明し、当社の技術をどんな風に役立てるか、いろんな仮説を立てながら取り組んでいます。

ナノエッグでの研究

ひとりの研究者
としての想い

実は、私が子供のころに初めて買ってもらった活字の本は、エジソンの伝記だったんです。その本でさまざまな発明を知り、科学やものづくりに興味を持つようになったのが、いまの自分に繋がっています。

研究に携わる人は誰しも経験することだと思うんですが、「こうじゃないか?」って予測しても、違う実験結果になることが多いんですよね。そこで、「なんでだろう?どうしてだろう?」とずっと考えつづけていくのが、研究なんです。そうしていくと、ピタッとハマるときがあるんです。「やったぞ!」って。
研究は思い通りにいかないことの連続ですが、ひとつひとつを積み重ねていくなかで、何かしら小さな「やったぞ!」だったり、思わぬ発見があったりもするんです。ですから、私は「なるようになる」といつも構えています。座右の銘とか、そんなたいそうなものではないんですが
(笑)。

研究者としては、10年後くらいにはいま取り組んでいる研究で何かしら大きな区切りに到達したいですし、次のテーマにも取り組んでいたいですね。その頃には50歳になっているので、後進を育てる立場に就いているんじゃないかとも思っています。

〔本インタビュー内容は、2017年夏の取材に基づくものです〕

nanoegg Labo Report vol.1 好きこそ、物の上手なれ 研究開発本部 医薬品研究開発部 武蔵nanoegg Labo Report vol.1 好きこそ、物の上手なれ 研究開発本部 医薬品研究開発部 武蔵