例えば、「顔色が悪い」という表現は、本当に肌の色がおかしい場合を除けば、皮膚以外の臓器に問題がある場合に起こる症状です。肌は様々なエイジングのサインを表現しているとも言えますね。
特に皆さんが感じている肌のエイジングサインは、シミ、しわ、たるみではないでしょうか?
「色白は百難隠す」と言われるように、日本人は肌が白いことを強く望む傾向にあります。一方欧米人はしわを気にすることが多く、エイジングの論文もしわの改善に関する内容が多いです。国によって気にするエイジングサインは異なりますが、見かけの年齢に大きく影響する因子です。
それでは、次のイラストで最も年齢が高く見えるのはどのイラストでしょうか?
シミやしわは、確かに老けて見えますが、一番年齢を重ねて見えるのは右端ではないでしょうか。右端はいわゆるたるみがある状態です。たるみは実は国を問わず多くの人が悩んでいるポイントですが、原因は、シミやしわと違って、肌の深いところに原因があります。
シミやしわは、皮膚の表皮層や真皮層と言われる厚さ1~4mm程度の中に原因があります。一方、たるみはもっと深い筋肉に至るまでの組織の加齢が原因です。皮膚の組織は、筋肉表面にある皮下脂肪と膜状組織(SMAS、スマスと呼ばれています)と、深部リガメントで支えています。皮膚の組織をテーブルの天板とするなら、リガメントはテーブルの脚に相当します。この脚は意外にも頑丈で、加齢によって多少固くなるものの大きく動くことはありません。しかし、天板は加齢により薄くなりよれよれして伸び切ってしまいます。そのような状態でテーブルを横にして立てかければ、天板だけ下に垂れ下がってしまう。これがたるみの原理です。